印刷データ
デザインが決まり、発注の段階で意外とつまずきやすいのが「印刷用データ」の準備です。

画面上では完璧でも、印刷の現場では「このままでは刷れない」「色が違う」といったトラブルが起きることも。
今回は、スムーズな発注に必要なデータを作るためのポイントを分かりやすく解説します。

印刷トラブルを未然に防ぐ基本のチェック事項

印刷用データを作るとき、まず確認しておきたいのが「文字」と「画像」の扱いです。
ここを押さえることで、入稿した後のやり直しを大幅に減らせます。

文字化けを回避する「アウトライン化」

印刷データで多いトラブルの一つが、文字が別の形に変わる「文字化け」です。
作成したパソコンに入っているフォントが、印刷会社のパソコンに入っていない場合に、別の書体に置き換わることがあるのです。

文字化けを防ぐための大切な作業が「アウトライン化」です。
文字を「フォント情報」から「図形(パス)」へと変換することで、どのパソコンで見てもデザインが崩れなくなります。

ただし、一度アウトライン化すると文字の打ち直しができなくなる点に注意してください。
元データを残したうえで作業を行うのが安心です。

鮮明な仕上がりを左右する「画像の解像度」

ロゴマークや写真を使う場合、「解像度(きめの細かさ)」が仕上がりの印象を大きく左右します。
画面上では綺麗に見えても、封筒に印刷すると境界線がガタガタに見えたり、少しぼやけたりすることがあります。

高品質な印刷のためには、原寸サイズで「300〜350dpi」という解像度が理想です。
会社ロゴなどをスマートフォンのカメラで撮影したものやホームページからコピーした画像を使用する際は、解像度が足りているかを確認しておきましょう。

理想の色味とレイアウトを叶えるための方法

「届いた封筒の色がイメージと違う」「文字が端に寄りすぎている」
そんな思いをしないために、色と配置に関するルールを知っておくことが大切です。
画面上の見た目と、実際の仕上がりのギャップを埋めるコツを見ていきましょう。

「CMYK」と「RGB」の違い

パソコンやスマートフォンの画面では「RGB(赤・緑・青)」という3色の光で色を表現しています。
一方で印刷機は「CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)」という4色のインクを使って色を作ります。

RGBのデータをそのまま印刷すると、全体的に色がくすんだ印象になりがちです。
色が画面上とは違った印象になる原因は、光で表現するRGBに比べ、インクで表現するCMYKは再現できる色の範囲が少し狭いからです。
仕上がりとのギャップを最小限に抑えるため、データの作成段階からカラーモードをCMYKに設定しましょう。

ズレをカバーする「塗り足し」と「安全圏」

封筒の印刷では、大きな紙に印刷してから形に切り抜いたり、既製品の封筒に印刷したりします。
その際、どうしてもコンマ数ミリ単位の「わずかなズレ」が生じることは珍しくありません。

このズレを目立たせないための工夫が「塗り足し」です。
封筒の端まで色を乗せたい場合は、実際のサイズよりも3mmほど外側まで背景を引き伸ばして作成します。
逆に、切れてはいけない重要な文字やロゴは、端から3〜5mmほど内側の安全圏に配置しましょう。

データの違和感を防ぐ出力見本

どれだけ丁寧にデータを作ったつもりでも、環境の違いによる予期せぬエラーは起こり得ます。
そこで欠かせないのが、PDF形式や画像形式(スクリーンショット)による「出力見本」の添付です。

Illustratorなどで作成したデータを入稿する際、意図した通りのレイアウトになっているかを印刷現場で最終確認するために、この出力見本が大きな役割を果たします。
データと見本を照らし合わせることで、最終的な仕上がりを正確に共有するための大切な基準に。

微細な配置の確認できるような一手間が、やり直しのないスムーズな進行と、納得の仕上がりを支える大切なポイントです。

想いを形にする工程

印刷データを作ることは、単にきれいな図面を書くことではありません。
画面の中にある会社の想いや届けたいイメージを、封筒という形にするための大切な工程です。

基本的なルールを一つずつ確認しながら、丁寧にデータを整える。
ちょっとした気遣いが、スムーズな製作と、納得のいく仕上がりへと繋がるのです。

理想の一通を形にするために、まずは文字のアウトライン確認から、丁寧に進めていきましょう。