●【人間の格】真実は無限

1.感性論哲学では「真実はーつではない」と考えている

①真理はーつという考え方には、「理性は神から与えられた完全な能力」として
絶対視する考え方、そしてさらに「事実は変化しない」という考え方がある。

②しかし、マクロから見れば、事実そのものが変化しているのが自然界である。

③だから真理はーつだという考え方は人間の作為的な証明されないものである。

2.人間の世界は変化を作り出していく世界である。

①歴史や人間の成長も変化である。

②変化の世界が人間であり、人間が生きるということは変化を作り出すことなのだ。

③だから変化する社会の出来事を処理する方法として、
真理はーつだという原則を持ち込んではならない。

3.人間は基本的に不完全な存在である。

①人間がすることはすべて不完全である。

②だから一つのことに対していろいろな考え方があっていいというのが
人間の個性の世界である。

4.真実は無限である。

①いろいろに考えて、どのように感じてもいい。

②そういうことが前提になった社会の作り方、人間の在り方、
人間同士の付き合い方を考えていかなければならない。

5.理性という能力は合理的に考えることができる素晴らしい能力である、
と多くの人が考えている。しかし感性論哲学の立場から言うと、
理性は合理的にしか考えることができない。
合理的でないものも合理的に考えてしまう不完全な能力である。

6.愛や、幸福や、自由や、勇気、責任感、
これらは全て理性的なものではなく、“感じる”ものである。

①実感が問題なのだ。

②人間が求める、本当に素晴らしい価値は、ほとんどが感じるものである。

③理性的なものは、ほとんどが目的を実現する手段となるようなものだ。

7.理性が不完全な能力であると考えれば、人間は謙虚になれる。

①自分の考えも不完全なのだから、人の考えと合わせるという態度が湧いてくる。

②このように人間性を進化させていくことが全人類にとって一番大事なことである。

③それが新しい未来を作る原点だということを自覚しなければならない。